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この走り庭を左に曲がるとお玄関です お玄関を上がって左に行くと、洋間。昭和4年に改装されました。もとは「店の間」用の「奥座敷」でした。 昭和4年は、祖父母の結婚がありました。モダンな好みを活かした二人の居間となりました。床はコルク板が使われています。 玄関から右に行くとお座敷までの3部屋が続きます。 「ハレ(特別な行いの時)」なんかは、障子や襖を外して大広間にして大勢のお客さんに対応できるようになってます。敷居も外して片側へ寄せられるように可動式です。 お座敷まで入られたお客さんの目に一番に飛び込んでくるのがこの障子の四角。開ければ座敷庭の緑が良く映えます。壁の色が非常に暗いことが、こうした視覚的効果を高めています。 では、座敷の濡れ縁に出てみましょう。 深い軒の庇(ひさし)には一本の「北山の磨き丸太」が吊り着けてあります。この丸太「元据え(もとすえ)無し」=「太さが均一でどちらが根本だったのか分かりにくい」ほどの名木です。だから、この家を建てた時に「どうしてもこの一本に傷つけずに」活かしきりたかったのでしょう。深い庇を支えるための柱を一本も使わずに「はねぎ」と呼ばれる技法で深い庇を保っています。それで、視界も開けてお庭も「すっぱり」とよー見えます。 庭の向かって右、座敷庭のヘリには「木賊張り(とくさばり)」と呼ばれる竹の袖垣があります。何気なく見過ごしてしまいがちですが、この意匠は「桂離宮」でよく見られるものです。杉本家の場合、竹を抑えるために用いている釘も離宮と同じ形が使われています。くぎの頭が上向きに折られているんですよ。この「木賊張り」、実は大変な手間暇が掛けられています。なんせ、竹には節がありますから、隙間無く張るだけでも大変なところ、節の位置が木賊(黒い節のある緑のストローみたいな草)が自然に生えている様を真似て節をずらしながら張らなければいけません。しかもあたかも無意図的に、、、。そして、「木賊張り」に続いて「黒文字の垣」が庭を取り囲んでいます。「黒文字」っていう木の柴です。よく和菓子に付いてくる黒い皮のある木の楊枝と同じ木です。 生木の時にはそれはそれは清楚なよい香りがします。「黒文字の楊枝」もちょっと水で湿してから使うと香りが復活します。和菓子をいただくときには、この黒文字の香りがとーっても大切なんですよ。 この庭が完成した当初は、座敷にも黒文字の香りが漂っていたことでしょう。葉っぱが散っているけど、普段の「気の抜いた庭」。キチンとした「よそいき」の庭は、後日改めてご紹介しましょう。 そして、座敷庭を囲む「黒文字の垣」を裏側から見ると、こんなふうに曲線です。(ここは非公開ですから、この写真で見てくださいね)真ん中に木戸が設けられていますが、この曲線の合い目が微妙にずらしてあるところがミソです。小憎い仕業ですね〜。 座敷の床です。お軸もなんにも無いと、如何に「引き算の空間=装飾を省き尽くした空間」であるかわかります。だから、いかようにも空間を室礼る事が出来るんです。 霜月の座敷の障子の色 おまけ。 これは初夏の障子の色。端午こちらにむかってきてます。
by kyuuan
| 2009-11-19 11:56
| 伝えたい町家の風景
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